タネで、経営を
コンサルティングする。
- 神田 拓也 / Takuya Kanda
- 長沼研究農場
理工学部卒 / 2009年入社
- 入社のきっかけ
- 日本の食料自給率の低さ、産業としての農業の厳しさなどを知って「微力であっても何か貢献をしたい」と思い、食にまつわる会社の就職を目指す。そのなかで、世界の農業に貢献するタキイ種苗の理念や取り組みなどに魅力を感じて入社を決意。
- 入社後の流れ
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1年目~2年目滋賀県の研究農場でハクサイ、ミズナ・コマツナ・チンゲンサイなどツケナ類の育成を担当。3年目〜長沼研究農場に異動し、ホウレンソウのブリーダーに。現在に至る。
目標に向かい確実に、
地道な積み重ねが大切。
ひとことで言うと「ホウレンソウの品種改良」ですが、これが結構奥が深いんです。まず、ブリーダーは、作物の栽培ができることが最低限のスキル。畑を耕し、圃場を整え、タネを蒔き、栽培する。生産のひととおりのプロセスがこなせないと、生産者の方々と同じ目線で話ができません。加えて、1年で結果が出るものでもないんです。年1回の交配を何年も積み重ねて、ようやく目標にしていた品種が誕生します。逆に言えば、ひとつのミスが数年間の積み重ねを一瞬で台無しにしてしまうことも。わかりやすい例えで言うと。「夏の暑い時期でもたくさん採れるホウレンソウを育成しよう」という目標に向かう中で、交配に使う素材が実は夏に強くなかったとしたら、どう頑張っても夏に強いホウレンソウはできません。100人いれば100通りの品種ができる。そこが品種育成の難しさであり、面白さだと感じます。
全ては、
生産者の笑顔のために。
数年間にわたって粘り強く育種に取り組む理由は、良い品種を生み出せたら、生産者の方々の生活がより潤うからです。例えば、2019年に商品化した品種。ホウレンソウは収穫後に下葉とりや袋詰めなどの調整作業があり、出荷するまでに多くの時間を要します。一方、生産者の収益を上げるには収量性を高めることが重要ですが、これまでの品種は収量性が向上すると、作業効率が落ちてしてしまうという課題がありました。そこで、収量性と作業性を両立させることを目標に育成をスタートしましたが、一筋縄ではいかず非常に難しかったですね。でも、双方を兼ね備えた品種ができたとき、生産者の方々に「これ、すごいね!」と驚いていただけて、すべての苦労が吹き飛びました。
Act locally,
think globally.
日本、さらには世界の農業に貢献できるのは、タキイ種苗の魅力です。一方で、生産者の収益を伸ばし、経営に貢献するという、身近な醍醐味を感じられるのも大きな魅力。そんな日々の積み重ねを通じていけば、ひいては、日本のみならず世界の食糧問題を解決できるかもしれません。決して大げさな話ではなく、タネはそれくらい大きな力を持っていると思います。ひとつのタネが産地を変える。その品種をつくるために産地ができる。さまざまな地域に恵みをもたらすことだってできますから。しかも、タキイ種苗は、想いを実現するために「こんな設備を導入するべき」などの提案にも耳を傾け、動いてくれる。やりたいことにどんどんチャレンジできる会社なんです。
- Favorite place
- 長沼研究農場から見えるこの景色が気に入っています。空が広く見えるため、「北海道の壮大な土地のなかで仕事をしているんだなあ」と強く感じることができることが魅力です。また、夏になるとスイートコーンやカボチャが実り、さらに北海道らしさを感じることができるんです。