アルゼンチンへ調査に行き、まだ日本に導入されていない花を自分の手で品種改良して広めたい。タキイでならそれができると思ったのがきっかけです。仕事内容と同様に、私は社内の雰囲気も重要視して就職活動を行っていました。タキイは私が希望していた活気に溢れ、先輩方が夢を持って楽しそうに仕事をしている姿を見て入社したいと決めました。
最終選考として2泊3日の農場実習があったのでギャップはほとんどありませんでした。明るい雰囲気の中、「世界一の花を作る」という目標に向かって仕事をしています。180周年を越える伝統ある会社なのでフットワークが軽やかではない面もありますが、確認に確認を重ね、お客様の信頼を失わないことを第一に仕事をしています。
アメリカンタキイで主にペチュニアの育種を担当しています。野菜と違い、花はどこで育種をしても世界一の品種を作出することができます。他社にない独自性を持った品種開発に向け、育種計画を立て、選抜・交配を繰り返しています。年間約5,000系統8万株の中から、将来の品種化につながる有望系統を育成しています。
狙い通りの交雑や、思いもしない系統から有望なものができた時など、小さなわくわくが常にあるのが育種です。その中でも、やはり品種ができたときに最も達成感があります。入社してから8年目、やっと自分が中心的に携わった中でいくつか品種化でき、また、近いうちに品種化できるものもあります。どのくらい会社に貢献できるか今後が非常に楽しみです。
ブリーダーは、播種から管理作業の全てを直に行って植物の生理生態を習得します。滋賀県の研究農場には園芸専門学校があり、日々の業務は全て生徒と一緒に行います。夏場の炎天下に大声を出しながら全員で定植用の畝立てをしたことが思い出深いです。そんな生活を続けて1年、入社時100kgあった体重は70kgへ。正に一石二鳥以上のダイエット術です。
野菜は食の根幹を担っていますが、花は嗜好品とされ、なくてもよいとも言われます。しかし生活に癒しやゆとりを与えられるのが花です。花を見ると自然と明るく笑顔になりますよね。心豊かな生活には必要不可欠なものです。タキイは生活の根幹を担っている会社です。社会にとって数少ない「なくてはならない存在」です。
ペチュニアのブリーダーとしての目標は、AAS(オールアメリカセレクションズ)という世界的な賞を獲って品種を広め、世界一のペチュニアシリーズを作ることです。同時に、入社当時からの夢である世界各地で未だ導入・開発されていない植物の採集を行い、新しい育種目標を立てることができるか、ニーズを作り出すことができるかを見極め、育種をしてみたいです。
平日は息子たちと遊ぶ時間が少ないため、休日はできるだけ時間を作るようにしています。また、妻も毎日のアメリカでの慣れない生活と怪獣のような息子たちの面倒を見てくれているので、気分転換できるようにできるだけ外出するようにしています。2週に一度は車で1時間ほどの日本食スーパーまで買い物に行き、その帰りに公園や海に行って家族でのんびり過ごすことが多いです。