商品の特徴

PRODUCT FEATURES

多様な品種が必要とされる理由

タキイはこれまでに野菜で1,500品種、草花で500品種を開発してきました。例えばキャベツだけでも現在50品種以上取り扱っています。なぜこのようにたくさんの品種が必要なのでしょうか?それは、栽培される地域や時期に応じた気候・土壌条件に最も適した品種が求められるからです。さらに、時代の流れに沿って生産者や流通業者が要望する形状・味・収量性・貯蔵性・耐病性・機能性といったニーズに応えるために、さまざまな特性を付与した多様な品種が必要とされているからです。

種苗メーカーであるタキイは、気候条件の変動や食生活の変化をもとに、将来的な市場性を予測しながら新品種を開発しています。また、既存のニーズへの対応に加えて、ガンや動脈硬化などの予防効果が期待できる機能性成分の含有量を高めたタマネギや、少人数の世帯でも食べきれるミニ野菜の開発など、時代の先を読んだ新品種の提案を通じて新たな食文化を生み出す役割も担っています。

F1品種とは?

品種には固定種とF1種(First Filial Generation)の2種類がありますが、現在種苗メーカーが開発している品種の大半はF1種です。

長年にわたる自然淘汰や生産者などによる選抜の結果、遺伝的に固定(安定)している品種。ある程度の遺伝的多様性が含まれるため、形状や色といった形質にバラツキが出るが、自然受精を経た後代にもほぼ同様の性質が受け継がれていく。一般種、在来種、地方種も同意。

性質の異なる2種類の親品種(原種)を掛け合わせ作出した雑種第一代のこと。交配種、一代雑種、ハイブリッド種も同意。その特徴は次の通り。

  • ① 雑種強勢により生育が旺盛で不良環境下における栽培性が高く、収量性も向上する。
  • ② 両親(原種)に付与した優良形質を兼ね備えることができる。 「病気に強い」×「味がよい」といった付加価値の高い品種ができる。
  • ③ 形質の揃いがよい。両親の形質が固定化されているので、品種特性がむらなく均一に発揮される。
  • ④ 自家受精を経た後代の種子では全く同じ形質のものは収穫できない。

F1種のパイオニア
であるタキイ種苗

F1開発の先駆者として、種苗業界をリードしてきたタキイ。 世界初の自家不和合性利用によるアブラナ科野菜のF1品種として、1950年(昭和25年)にキャベツ長岡交配「一号」甘藍、ハクサイ長岡交配「一号」白菜を発表した。海外でも関心が高まり、その頃から世界的に品種のF1化が進み出す。その後も、タキイは育種技術を駆使して、カブ、タマネギ、ブロッコリー、ニンジン、カリフラワーと次々にF1品種を生み出していった。現在も21世紀の食を創り出していく企業として、新たな品種の創造に邁進している。

育種とは?

生物の遺伝的性質を改良することを「育種」といい、植物の場合は、異なる性質をもつ品種を交配することにより優れた新品種をつくっていきます。的確な栽培技術と観察眼により、何百何千という組み合わせのなかからターゲットとなる形質を備えた系統を発見し、選抜・交配を重ねていきます。1つの品種を開発するには約10年という年月を要します。

商品開発のプロセス

品種開発を担う技術部門は、大きく分けて育種と研究に分かれています。

保有する遺伝資源(育種素材)を用いて、自然交配による品種改良で新品種を育成する。各グループごとにチーフ1名、グループ内の各品目にメインブリーダー1名、サブブリーダーが1~2名の体制で育種に取り組む。入社後数年間は基礎的な栽培技術や生理生態を学び、その後はサブブリーダーとして1~2品目を担当する。花卉グループに関しては野菜に比べて扱う品目数が多いため1人のブリーダーが多品目を担当する。

育種年限の短縮や検定の効率化に結び付く新技術を研究開発する。具体的には、DNAマーカーの活用による形質選抜や、野菜に含有される機能性成分の分析、組織培養や半数体・突然変異体の利用、病害や虫害が起こる遺伝的背景や植物の抵抗性のメカニズムの解明などを担っている。常にブリーダーと連携を図りながら、高付加価値品種の開発をサポートしている。
 

タキイの代表的商品

野菜

「お黄にいり」ハクサイ

従来のハクサイの4分の1程度のサイズのミニハクサイ。核家族化が進み単身省世帯も増加しているため、1個まるごとではなくカット販売されることが多いハクサイを食べきりサイズに改良。

「耐病総太り」ダイコン

発売以来30年以上売れ続けているロングセラー。甘くて肉質や食感がよく、煮くずれしにくいため加工用にも適している。1970年代頃まで白首が主流だったダイコンを青首に一変させるほど、生産・流通・消費すべての面から高い評価を受けた。

「桃太郎シリーズ」トマト

1985年発表。果肉が硬く、おいしく完熟してからの収穫を可能にしたトマト。それまでのトマトは熟すと果実がつぶれやすいため緑色のまま収穫していた。数年で夏期のトマトシェア8割りを超すヒット商品となり、現在までに20種類を超えるシリーズを開発。日本のトマトを代表する品種となる。

「ケルタマ」タマネギ

2015年発表。ガンや動脈硬化などの生活習慣病予防効果が期待できる機能性成分の含有量を従来品種の2倍に高めたタマネギ。抗酸化力の強い機能性成分「ケルセチン」が名前の由来。健康意識の高い現代において、大きく注目されている。

「えびす」カボチャ

食味がよく栽培もしやすいロングセラーの人気品種。国内だけでなく海外でも生産されている。品種名が流通や消費者にも浸透しており、国内のスーパーでも「えびすカボチャ」として売られている。

「ルシール シリーズ」ハポタン プラチナケール

これまでなかった輝くような照葉(葉色に輝きがある)が特長のハボタン。世界でハボタン品種をリードしてきたタキイが、新ジャンルの品種として「プラチナケール」※と総称し販売展開。メタリックな質感と高級感で、今後花壇や切花の新素材として期待も高い。※ハボタンの祖先が青汁で知られるケールであることから命名。

「ナチュレ」パンジー

全19色ある小輪パンジー。冬によく咲くビオラと花の大きいパンジーの掛け合わせにより、生育旺盛で栽培しやすく枝数や花数が格段に多く、長期間咲き誇る小輪パンジーを誕生させた。この新しい小輪パンジーというカテゴリーは人気となり、現在他社も追随している。

「ミンク」ユーストマ

品種数、品質ともに日本が世界一を誇るユーストマ。冠婚葬祭やフラワーアレンジメントなどでも使用され、日本で年間約1億2千万本流通している。「ミンク」はユーストマの従来品種に比べ花弁が多く、美しい花形に改良された白色八重品種。日本中で栽培される人気品種であり、世界からも注目されている。

「トロピカル シリーズ」カンナ

世界初、タネから簡単に育てられるカンナ。従来品種は球根から育てるタイプが多く草丈が2、3mになるが、「トロピカルシリーズ」の草丈は約80cm。カンナはタネの殻が固く、ヤスリや化学薬品で処理しても発芽率50~60%のものを、タキイが世界初、レーザー光線を1粒ごとに照射する技術・機械を開発(特許取得)。発芽率80~90%に向上した。フロリダのディズニーワールドでも栽培されるなど、世界中で楽しまれている。

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